第83回:「成道」

今から2500年前の12月8日、インド・ブッダガヤの地において、お釈迦さまはブッダ(覚者)となりました。これを「成道(じょうどう)」といいます。

成道とは、「成仏得道」のことで、人間が人間として完成すること(成仏)、人間の生きる道が見出されたこと(得道)と理解することができます。

成仏というと、人間が死ぬことの意味として言葉が使われますが、元々はそうではありません。仏陀(覚者)となるということです。

人間の生きる道を見出すこととは、どこかに自分の生きる道があるのを探し求めることではあり ません。自分の人生を「道」として賜わることです。それからの求道の歩みは、その遇い得た世界を極めていく歩みです。遇い得たものの確かさ、豊さ、尊さ を、その生活のなかで出遇(あ)い直し、身に受けとめていく歩みなのです。

明順寺住職:齋藤明聖

明順寺HP お釈迦さまの生涯 第7話「成道」 https://www.mjj.or.jp/buddha_07.html