東京国立博物館「法然と親鸞ゆかりの名宝」

東京国立博物館「法然と親鸞ゆかりの名宝」

上野の東京国立博物館平成館で10月25日から12月4日まで開催されていた「法然と親鸞ゆかりの名宝」を観に行ってきました。とても寒い日でしたが、館内は満員の賑わい。恐縮でしたが人を押しわけての見学となりました。

展示物は、国宝・重要文化財94件を含む、約190件。図録の厚みも尋常ではなく、なんと367ページ。京都博物館での図録246ページをはるかに凌ぐものとなりました。

時あたかも、法然上人800回忌、親鸞聖人750回忌の年であり、浄土宗、浄土真宗、各教団の全面的な協力のもと、史上初の合同展が実現されました。入場者数は21万2150人であったそうです。

親鸞聖人は、法然上人の弟子でした。その絆は強く、しかし流罪に処せられてから遂に二人が再 会することはありませんでした。二人が生きた平安時代末期は、天災や戦乱、飢餓が重なり、末法の世の体裁でした。東日本大震災を経験した私たちも、いま大 きな転換期を迎えていると言っても過言ではありません。二人の生き方が、現代の私たちに多くの示唆を与えてくれているように思いました。

明順寺住職:齋藤明聖

東京国立博物館「法然と親鸞ゆかりの名宝」