去る9月4日、法務省にて「第50回教誨師中央研修会・教誨事業功労者表彰式典」があり、日本宗教連盟理事長として、表彰ならびに祝辞を述べました。
参考に、祝辞を載せておきます。
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祝 辞
本日ここに、第五十回教誨師中央研修会・教誨事業功労者表彰式典が執り行われるにあたり、日本宗教連盟を代表して、ひとこと、ご挨拶を申し上げます。
第五十回の節目を迎えられた中央研修会の最終日に、表彰の栄に浴されました皆様には、衷心よりお祝い申し上げますとともに、その尊いご活躍と多年にわたるご労苦に対し、深甚なる敬意を表します。
また、各地でご活躍の教誨師の皆様には、宗教者として崇高な信念のもと、日々献身的に宗教教誨活動に当たっておられますことに、深く感謝を申し上げます。
今、社会には、不安、生きづらさ、孤独感が蔓延しています。役に立つ者、立たない者という理性至上の人間中心主義の傲慢さによって、一人ひとりのかけがえのなさを喪失している状況であります。格差も拡大し、成人六人に一人、子ども六人に一人が貧困と言われています。心痛む事件の報道をみるとき、そうした社会のありようが、加害者の心情にも深く影響を及ぼしていているように思われてなりません。
一方、加害者の多様化が進み、若年者や女性による犯罪も増加の傾向がある現在では、女性教誨師の活躍も望まれてきているところであります。
様々な理由から、不幸にして罪を犯した人々の、悩みや苦しみ、悔やみといった感情や思いに寄り添える存在として、教誨師の皆様の社会的役割は、極めて大きいものであります。
皆様のたゆまぬ努力と奉仕の精神により成り立っている、この宗教教誨活動が、更なる研鑽によって使命感を新たにし、なお一層の充実がなされますよう切に願うものであります。
結びにあたり、全国教誨師連盟並びに、法務省矯正局をはじめ関係各位の更なるご発展と、本日ご参加になられた皆様の益々のご健勝を念じ申し上げ、祝辞と致します。
平成二十七年九月四日
公益財団法人 日本宗教連盟 理事長 齋 藤 明 聖