全日本仏教会が「非戦決議」を採択しました

2015年11月6日、全日本仏教会は第12回理事会において全会一致にて下記「非戦決議」を採択しました。

「戦後70年目の年にあたって」   ―非戦決議―

先の大戦では、日本で約310万人、全世界を見れば約8500万人という方々の尊く、かけがえのない生命が戦火によって犠牲になりました。ここに、衷心より哀悼のまことを捧げるものであります。

仏陀は『法句経』に、「怨みに報いるに怨みを以てしたならば、ついに怨みの息(や)むことがない。怨みをすててこそ息む。これは永遠の真理である」「すべての者は暴力におびえる。すべての<生きもの>にとって生命は愛(いと)しい。己が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ」と、平和を実現するために反平和的手段<武力行動>をとることを最も戒められました。

戦時中、教団や僧侶の中には非戦をつらぬいた者もありましたが、多くは戦時体制に呑み込まれ、追従し、人類としてもっとも愚かな行為である戦争に加担・協力してきました。仏陀の教えに照らして、こうした過去に慚愧とともに真摯に向きあい、犠牲になられたお一人お一人の願いを受けとめて、二度と戦争をしない、させないという思いを強く、新たにするものであります。

平和とは、ただ戦争がないということにとどまるものではありません。すべての「いのち」の尊厳性がまもられ、基本的人権が尊重され、言論・思想信仰の自由が大切にされる社会であることが肝要であります。

私ども公益財団法人 全日本仏教会は、財団創立以来一貫して仏陀の「和」の精神を基調に仏教文化の宣揚と世界平和の進展に寄与することを目的としてまいりました。戦後70年目のこの年にあたり、いまだ世界の各地で紛争が絶えない今日、本会は、あらためて加盟団体挙げてこの理念に立ち、真の平和を希求して非戦の誓いを決議するものであります。

2015(平成27)年11月6日

公益財団法人 全日本仏教会