第93回:「三宝」

「三帰依」というのは「仏」「法」「僧」に帰依しますということです。その三つを「三宝」といいます。聖徳太子は『十七条憲法』のなかで「篤く三宝を敬え」と言われています。

「仏」とは真理に目覚めた人、「法」とはブッダの覚った真理、「僧」とはそこに集まる人々の集団、僧伽(サンガ)です。

なぜ「宝」なのかというと、手に入れがたいこと、非常に清らかであることから、世間でいう「宝」に似ているからです。

「帰依」とは、命の帰るところ生の依るところ、「よりどころ」という意味です。およそ人間であれば、何らかの「よりどころ」がほしい。通常私たちは、地位や財産、健康、家族などを「よりどころ」として生きています。しかし、それらは永久のもの、絶対のものではありません。

真の「よりどころ」を求めて生きていきましょうというのが、「三宝」に帰依するという表明なのです。

明順寺住職:齋藤明聖