第67回:「大震災救援活動について」

去る2011年3月11日に発生した未曾有の巨大地震と大津波によって、東北・関東をはじめとする広範な地域に甚大なる被害がもたらされ、今なお予断を許さない状態です。

あらためて、このたびの震災により尊い生命を奪われた多くの方々に、衷心より哀悼の意を表しますとともに、現在もなお深い悲しみのなかで苦難の生活を強いられているすべての皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

宗門では、震災直後から「災害救援本部」を設置し、被災地寺院・ご門徒をはじめとする現地の 状況把握に努め、救援金の募集、救援物資をともなった救援チームの派遣、各地別院クラスの被災者受け入れ、支援金の交付等、直ちにできることから間断なく 対策を講じており、今後とも支援を継続していくところです。

ときあたかも「宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要」を迎えておりますが、先行きの見えない激甚災害の現実を厳粛に受けとめ、宗門は急きょ「第1期法要」の取りやめを決定いたしました。

そして、その間、震災に遭われた方々に斉しく思いを馳せ、悲しみを心に刻む法要として「被災者支援のつどい」を開催しています。

明順寺でも、3月21日の「春季彼岸会法要」を「東日本大震災犠牲者追悼法要」と兼修し、被災者の皆さまと私たちは同じ大地の上に生きている、同じ空の下に生活していることを憶念する法会とさせていただきました。

宗務総長のメッセージにもありますように、今回の地震ほど、私たちに経済至上主義、科学万能主義と表現される「人知の闇」を露わにしたことはないのではないでしょうか。私たちの生活を根底から問い直させる大切な意味があるように思われてなりません。

自らの生活のありようを振り返り、今の時代状況を作っている一人として、この厳しい現実を引き受けていかねばならない責任があるように思われます。いよいよ真宗門徒としての歩みを確かめつつ、人間回復の道を歩んでいくことが求められます。

明順寺住職:齋藤明聖

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※明順寺の救援募金活動「お釈迦さま募金」
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