「民進党仏教議員連盟総会」に出席

5月17日、参議院議員会館において「民進党仏教議員連盟」の総会が開催されました。以前より仏教に関心のある議員連盟は「民主党」に存在していましたが、今回は「民進党」になって初めての総会となります。

会長に高木義明氏、幹事長に福山哲郎氏、事務局長に大島九州男氏が就任され、その他、顧問、副会長など、そうそうたる顔ぶれが並んでいます。当日の出席者は代理を含めて約70名。80作成した資料がほとんどなくなりました。

私が、祝辞を述べ、続いて法話をさせていただきました。出席議員からもお寺との関係性や仏教界への期待などが語られ、終始和やかな雰囲気でした。

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参考に私の挨拶を掲載しておきます。

祝 辞

先ずもって、「民進党仏教議員連盟」の設立、おめでとうございます。仏教文化を宣揚し、もって世界平和の進展に寄与することを目的とする私ども全日本仏教会にとりまして、大きなお力添えをいただくことであり、歓迎の意を表させていただきます。どうぞ、今後とも共に歩んでまいりたく、よろしくお願い申し上げます。

 

仏教界の現況と全日本仏教会

紀元前5世紀、北インドにおいて、お釈迦さまによって創唱された仏教は、その後、世界各地に伝えられ、現在、アジア諸国を中心に約5億人の信徒を有しています。

わが国へは、紀元6世紀に伝来していらい、聖徳太子をはじめとする、数多の先覚者による不惜身命の努力を通して、国民生活の根幹にまで深く浸透し、日本文化の基層を構築してきました。

それは、建築、美術、文学、思想など、わが国の伝統文化を顧みるとき、有形無形を問わず、仏教の影響を受けなかったものはほとんど無いという歴史的事実が如実に物語っています。

現在、わが国には、約7万5千カ寺の仏教寺院があり、日々、約20万人の僧侶が、8千万人を超えるといわれる信徒の教化に専念しています。

「公益財団法人 全日本仏教会」は、百数十に分かれた宗派のうちの有力な60宗派を中心に、各都道府県で組織された仏教会等も構成単位に加えた伝統仏教界唯一の連合体であり、組織率は全国寺院の95パーセントに達していると言われています。

本会は、明治33年発足の「仏教懇話会」をその前身としており、昭和15年「大日本仏教会」を経て、戦後の昭和32年、財団法人の認可を受け、現在は公益財団法人となっております。

主たる事業は、1.加盟団体相互の連絡・提携 2.諸官庁(主に文化庁宗務課)・関係諸団体(たとえば日本宗教連盟)との連絡・提携 3.人権問題 4.時局対策 5.国際交流 6.世界仏教徒連盟(タイ国バンコクに本部)への協力 7.仏教文化の広報 など、多岐にわたっています。

 

現代という時代社会は

現代という時代社会は、特に若者たちを中心に、不安、生きづらさ、孤独感が蔓延しているように思われます。

それは、合理的思考と科学を絶対化し経済的な豊かさを追求してきた結果、「いのち」の感覚を失い、一人ひとりのかけがえのなさを見失っているからなのではないでしょうか。

仏教は、お釈迦さまの人間としての苦悩から生まれ、いつの時代においても苦悩する人間を照らし受けとめてきました。

今まさに、人間とは、生きるとは、そして「いのち」とはということが、私たち自身を根底から問い直す大切な問いとして現われてきているように思われます。

果たして、仏教界は今、この問いに十分に応えられているでしょうか。私ども仏教界の果たすべき役割を、誠実に見直す契機ではないだろうかと強く感ずる

ものであります。

 

ひとことで仏教とは

仏教とは何かを、ひとことで言えば「仏さまの眼(まなこ)」をいただくことです。透明な眼、澄んだ眼を賜わることです。

私たちは、私が見ているというところに、必ず「私」というものがついてきます。見ているつもりですけれども、実は、見えているのではなく、「私」が見ているのです。

だから、私たちは縁によって起こる実相としてのあらゆる事柄を、正直にいただくことができません。そこに悩みの深さ、悲しみの深さがあります。

私流に見、私流に解決したいとしか思わない曇った眼を、はっきり開いてくださる。仏教とは自己を中心としてしか見ることのできない曇った眼を開き、透明な眼で私自身を、そして、あらゆることを見開いていくことのできる私にしてくださるということなのです。