「歎異抄講座・総集編」第1回開催さる

2013年10月15日、「歎異抄講座・総集編」第1回が開催されました。折しも大型台風26号の関東上陸の寸前、参加者7名。予定の半分に満たない参加者でした。

「歎異抄講座」を開始した10年前には、午後6時半からの開催が、お勤め帰りの方でも参加できる時間帯ということで画期的な試みでしたが、今回は参加希望者も少ないことに気づかされます。おそらく、ご案内状の届くご門徒さまの多くが高齢化していることに原因があるのではないかと考えさせられます。

「歎異抄講座・総集編」が終えたあとの聞法会は、曜日・時間の再検討が必要なように思われます。

私は、高校2年の秋、親友に誘われて出席した、国語の先生の『歎異抄』の話を忘れることはできません。「おのおの十余か国のさかいをこえて、身命をかえりみずして、たずねきたらしめたまう御こころざし、ひとえに往生極楽のみちをと(問)いきかんがためなり…」の言葉に、特に惹(ひ)かれました。

謄写版のインクのにおいのする『歎異抄』を配布され、はじめの何章かを音読してくださったのですが、当時、人間に生まれたことを素直によろこべない状況にあった私にとって、人生には「身命をかえりみずしてたずね」ずにはおれないことがあり、それが「往生極楽の道」であると言い切られている言葉に、大地から湧き出すような迫力を感じました。この言葉に導かれて、親鸞聖人の教えに生きる人生が開かれてきたのです。

往生極楽の道とは、死んでからという話ではありません。「自己とは他なし、絶対無限の妙用(みょうゆう)に常託(じょうたく)して任運に法爾(ほうに)に、此の現前の境遇に落在せるもの、即ち是なり」(清沢満之)と語られるような、浄土のかぎりないはたらきに触れてはじめて、この人生を存分に尽くして生きることのできる道です。

中津 功

豪雨と強風で交通機関の混乱が予想される中、限られた時間でしたが、熱のこもったご講義をいただきました。次回は12月17日(第3火曜日)午後6時半から8時半までの開催です。皆さまのお越しをお待ちしています。

中津 功 先生
中津 功 先生