蓮光寺門徒の篠﨑さんの著書『人生に何一つ無駄はない-末期ガンから見えてきた世界-』(東本願寺出版部)の巻頭言を蓮光寺住職が書いています。そこに載せられている帯津良一先生(帯津三敬病院名誉院長)の言葉を紹介しておきましょう。
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人間とは悲しくて寂しいものです。生きる悲しみと向き合って生きる人が多くなると、絶対にいのちの場のエネルギーが上がります。
私たち医療者でも生きる悲しみが全くわかっていない医者がいるのです。生を謳歌しているだけ。こういう医者が多いと、いのちの場のエネルギーが上がってこないのです。
「明るく前向 き」ということに溺れることなく、やはり人生は悲しいということを時には思い出しながらやっていくことが大事だと思うのです。
それから、私たちの未来にあ ることで確かなことは、死ぬことだけです。だから「死」に目を向けることです。それによって希望や生き甲斐が生きてくるのです。死からこちらを見てくる と、生がよく見えてくるのです。死から目を背けないことがとても大事になってくるわけです。ですから、私たちが生きるということは、実は病気であろうとな かろうと、こういうことだといつも感じています。
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明順寺住職:齋藤明聖