第6回:「韓国に出張~大蔵経にあう~」

韓国レポートNo.1

平成19年6月、全日本仏教会財団創立50周年記念事業実行委員会の総務部会長として韓国に出張してきました。

会議の開催地となりました「海印寺」は、新羅時代802年に創建された世界遺産に指定されている韓国最大の寺で、すぐれた建築様式の「蔵経殿」には信仰の 結集ともいうべき『高麗八萬大蔵経』の版木が収蔵されています。

版数は81,254枚、これを本にすると6,791冊になり、一生読み続けても読むことが できないと言われるほどであります。1236年から1251年にかけて制作され、書体の文字は美しく誤字脱字も一切ないという完璧さであります。

『新約聖 書』や『コーラン』が一冊の書物にまとめられるのに対して、仏教経典は八万四千の法門といわれるようにその膨大な量に特色があります。

日本では、1681年に完成した『黄檗版大蔵経』があり、48,275枚の版木、6,790巻は今も京都宇治にある黄檗山万福寺に所蔵されています。

さら に仏教研究における世界標準のテキストとなっている、大正13年から昭和9年にかけて出版された全100巻からなる『大正新脩大蔵経』があり、先ごろ第1 巻から第85巻のデータベース化に成功しています。

まさに智慧の宝庫たる『平成版大蔵経』の完成ともいうべき偉業であります。

明順寺住職:齋藤明聖

韓国に出張~大蔵経にあう~