第5回:「帰敬式のすすめ」

昨年(平成18年)、報恩講の前夜に、当寺としては初めて、「帰敬式(生前法名授与式)」を執り行いました。

親鸞聖人が明日はないかもしれないとの覚悟で夜に得度されたことに因み、真っ暗の本堂の中で、ろうそくの明かりだけが灯るなか、19名もの方が受式され、めでたく仏弟子としての第一歩を歩み始められました。

思い起こしますと、私が東京二組教導のとき、私が30歳のときでありましたが、ご門徒お一人お一人が本来にならって生前に法名をいただき、仏教徒としての 自覚をもっていただくことの重要性を考えて、各寺で帰敬式を行うことができないかと宗派に提案したことがありました。宗派は、帰敬式を行うのはご門首の専権事項であるから、それはできないという回答でありました。

爾来、25年が経る中で、本山も方針を転換し、今や「帰敬式実践運動」として、各寺でのご門徒の帰敬式受式を奨励しています。

近年、アメリカでは、キリスト教社会の限界を感じて仏教に救いを求める人が後を絶ちません。世界から仏教が求められ期待されているのです。私たちは、あらためて仏教徒としての自覚と誇りを回復していきたいものです。

すでに、当寺のご門徒さまで、帰敬式を受式された方が、100名を超えました。毎年「報恩講」には「帰敬式」を実施する予定であります。

私の、ライフワークともいうべき呼びかけに、ご理解とご参加をお願い申し上げます。

明順寺住職:齋藤明聖

○より詳しい「帰敬式」についてはコチラ