曼陀羅華が「あさの毒」?

「曼陀羅華(まんだらげ)」は、インドの仏教伝説に現れる天界の花。色が美しく芳香を放ち、見る人の心を悦ばせることから悦意華(えついか)とも呼ばれています。

1804年、華岡青洲は世界で初めて全身麻酔で乳がんの摘出手術を成功させました。この時に麻酔薬として使われたのが「曼陀羅華」。日本名「チョウセンアサガオ」です。

麻酔の開発において、母親と妻が最終的な人体実験を申し出たことは有名な話です。

「曼陀羅華」は、有毒植物で、経口後30分ほどで口渇が始まり、体のふらつき、幻覚、妄想、悪寒など覚醒剤と似た症状が表れ、もちろん命に関わることにもなりかねません。

ところで、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』のワンシーンで、北條義時は伝説通り正室によって毒殺されました。

医師から「あさの毒」が原因という診断がされていましたが、もしかしたら、この「あさ」はチョウセンアサガオの「朝」なのかもしれませんね。