第109回:「お正月を迎えるにあたって」

お正月を控え、本堂に華が立てられました。松一式に紅白の色が添えられています。

元旦午前11時から、本堂で「修正会(しゅうしょうえ)」の法要が執り行われます。すがすがしい元朝をお迎えいただきたく、皆さまのご参詣をお待ち申し上げます。

ところで、私たちは美しい「花」にこそ目を奪われますが、その花を育て、実らせ、咲かせた「根」のことはあまり考えません。ほんとうは、根があればこそ花を愛でることができるのですが…。

人生にも同じようなことが言えますね。「花」だけを追い求めていくとき、生活は「根なし草」になります。しっかりと大地に根をはって初めて、私たちは「花」を歓べるのです。

「生活の根」とは何なのでしょう?それは、わたくしたちの命が、限りない願いをもって見まもられていることを知り、その願いに生きていこうとする「報恩の生活」なのではないでしょうか。

教えを聞くということも、その根を見つめていくことなのだと思います。来る年の課題にしていきたいと考えます。

明順寺住職:齋藤明聖

お正月の仏華