聖典学習会~『教行信証』に学ぶ~

練馬の谷原にあります「東本願寺真宗会館」で、池田勇諦先生(同朋大学名誉教授)をお招きして開催されました。参加者は予想をはるかに超えて約100名。会場を講堂に移して開会されました。
『教行信証』は親鸞聖人の主著で、浄土真宗の立教開宗の根本聖典であります。正式には『顕浄土真実教行証文類』といい、教巻・行巻・信巻・証巻・真仏土巻・化身土巻の6巻でなりたっています。
「坂東報恩寺」に伝わった東本願寺所蔵の『教行信証』は草稿本とよばれていますが、親鸞聖人自筆のもので、聖人が転写され再稿された様子をうかがい知るこ とができます。成立は聖人が63歳以前、関東におられるころと推定されます。昭和27年に国宝に指定されています。講義は、総序・別序・後序を存覚上人 (1290~1373)の分類を参照しながら考察。『教行信証』はなぜ書かれねばならなかったのか、聖人は「法難」をどのように受けとめていかれたのか、 についてでありました。
私たちは日ごろ自分の思いが通るか通らないかで生きています。人間中心主義・理性至上主義の傲慢さは、信心さえも個人意識に閉じ込めてしまいます。そうし た自我意識の自分から出て「真実の主体」であります仏智に立って、聖人は自己と社会とを見続け、ご生涯を歩まれたことを学ばせていただいたように思いま す。
次回は10月31日です。聴講希望者は「東京教務所:03-5393-0810まで」お問い合わせください。

明順寺住職:齋藤明聖