第4回:「二河白道の譬え」

善導大師が著した『観経玄義分』に、「二河白道」の譬えがあり、親鸞聖人も『教行信証』信の巻に引用しています。

行者の前にわずか幅四、五寸の道が現れま す。北側は際限の無い深い水の河、南側は際限のない火の河であります。後ろには群賊悪獣が命を奪わんと迫ってきています。

そのとき「汝(なんじ)、ただちに来たれ」という声が聞こえてきます。極楽宝国からの阿弥陀さまの呼び声であります。さらに「仁者(きみ)、行け」という声が聞こえます。娑婆の火宅にあって背中を押してくださるお釈迦さまであります。

浄土真宗は、阿弥陀さま一仏を拝むものでありますが、実は「二尊教」といわれる所以がここにあります。救主としての阿弥陀さま、これは法であり真理そのも のであります。そして教主としてのお釈迦さまがおられるのです。私たちは、お釈迦さまの教えによって、阿弥陀さまの法をいただくことができるのです。お釈迦さまの恩徳がわかるほど阿弥陀さまの法に遇うていくのであります。

明順寺住職:齋藤明聖

○釈迦諸仏
私たち浄土真宗は、諸仏を大切に尊びます。
諸仏とは、法然上人であり親鸞聖人であり蓮如上人であり、そして私どもに先立って亡くなられた多くの先達、すなわち先祖のことであります。
私たちは、お釈迦さまを代表とする多くの諸仏を、阿弥陀さまに遇わせていただく仏として阿弥陀さまと共々大切に尊んでいるのであります。

○釈迦諸仏の弟子
生前に法名をいただく儀式のことを「帰敬式」といいます。
法名とは、まさしく「釈迦諸仏」の弟子となっていただく名前であります。
二河白道の譬えにも「汝ただちに来たれ」という阿弥陀さまの呼びかけがあります。
「ただちに」というのは、そのままでいいということです。ぜひ、阿弥陀さま、釈迦諸仏の呼びかけに呼応して、帰敬式をおうけいだだきたいと願うものであります。

○より詳しい「帰敬式」についてはコチラ