第1回:「ホームページのオープンにあたって」

ついに明順寺のホームページができました。

私が全日本仏教会の事務総長であったとき、全日本仏教会のなかに「改革推進委員会」が設置されどのような課題を克服して将来展望を抱くか議論されました。そこで 出てきたのが広報課題でありました。

たとえば新潟県地震のとき、いろんな宗派が救援金を拠出しボランティアを派遣したのですが、それが全然見えてこない。 伝統仏教界全体としてこれだけのことに協力したのだとそれぞれの活動を集約して広報していくことが必要ではないだろうか?!

津波災害のときにも、NHKでボランティア会の活動が報道されていました。実はこれは、「シャンティーボランティア会」という日本の仏教系の国際的にも評価されている団体であったのですが、残念ながら報道ではそのような説明はありませんでした。

いま仏教界をとりまく環境は非常に厳しいものがあります。宗教がらみの紛争、カルト教団の続出、高齢者の心のケア、信じるものを失った若者たち、これらに十分に応えきれない仏教界に対する疑問や不信感であります。

こうした背景のなかで、「改革推進委員会」は広報課題の克服を全日本仏教会の将来展望として課したのでありました。

そこで、広告会社にいる友人に問うてみます と、「広報」とは正しい情報を広く伝えることではない。広報とはコミュニケーションなのだ。広場をつくればそこに人や情報が集まってくる。これが広報なのだ、 広報とは「縁づくり」なのだと。これには正直参りました。縁といえば仏教の専売特許ではありませんか。十八番をとられてしまっていたのです。

そこで全日本仏教会の五〇周年記念事業のテーマを「地域の縁、アジアの縁」と決定したのでありました。それは広報課題の克服とともに、いま最も必要とされ ている人と人とのふれあい、わかちあい、たすけあいを提唱するものであります。

こうした中で広報の受け皿としてのホームページの必要性と重要性についても 認識させられまして、いよいよ明順寺のホームページを立ち上げることになりました。

コンセプトは、「楽しい、得した、役に立つ」です。どこまでこれに応え られているかはわかりませんが、少しずつがんばっていきたいと思います。みなさまの叱咤激励をお願い申し上げます。

明順寺住職:齋藤明聖