第40回全日本仏教徒会議神奈川大会

第40回全日本仏教徒会議神奈川大会

駒沢大学前総長・奈良康明先生の基調講演にはじまり「アジアの平和と仏教徒の役割」「少子高齢化社会と寺院」「現代社会における仏教葬儀」「生命倫理と仏 教徒」の4分科会と平行して「加盟団体代表者会議」が開催されました。

私(住職)は代表者会議の助言者をつとめさせていただきました。翌日は「信ずる心と 平和」と題するダライ・ラマ14世の記念講演。パシフィコ横浜国立大ホールを埋め尽くした約5000人の聴衆を魅了しました。

奈良康明先生~仏教の社会観は縁起の社会観であります。社会におけるさまざまな個と全体の関係は個の単なる集合が全体なのではありません。個どうしの関わ りあいの総体が全体なのです。個どうしの関わりあいを助長するキーワードは慈悲であり他者への共感であります。現代社会は共感への意欲と努力が不十分なの です。それに対応する私たちの具体的実践として種々なレベルにおける草の根的対話を提唱いたします。

テレビや新聞でも活躍されている文化人類学者の上田紀行氏は、第1分科会の座長をされましたが、インドでダライ・ラマ14世との二日間にわたる対談を『目 覚めよ仏教!ダライ・ラマとの対話』(NHKブックス・2007年6月)にまとめています。ダライ・ラマ14世は、現実におきている差別や格差、社会的不 正義に対して仏教者が無関心でいることはありえない。仏教者はその現実に対して慈悲から生ずる強い怒りをもち、その怒りを原動力にして自らの修行に励み社 会的実践に取り組むべきであることを述べています。

大会ではミャンマー政府の民主化運動弾圧に対する抗議のはがきが配布され署名の協力が呼びかけられました。代表者会議での提案をうけて夜を徹して5000 枚のはがきを印刷してくださった「ひのでぷりんと」(明順寺がいつもお世話になっています)さんには感謝もうしあげます。

明順寺住職:齋藤明聖

第40回全日本仏教徒会議神奈川大会