第12回:「如来さまの家」

私たち浄土真宗の門徒は「お内仏」を家庭の中心にすえて家づくりをしてきました。

お内仏のない家はどんなに立派な家でも小屋であり、たとえ粗末な家であってもお内仏のある家は「如来さまの家」と考えてきました。子どもが独立すると親は「お内仏」をあたえ、アミダさまを家の主(あるじ)として如来さまのお心を思いながら生活していくことを伝えてきたのです。

真宗門徒の家に生まれ育ったものは誰もがアミダさまとの縁に結ばれていて、その一生はそのままアミダさまと共に生きていく生涯となるのです。

子どもを叱るときにどうしますか?

親は「お内仏」を背にして座り子どもに注意するのです。親の言葉はアミダさまのことばであり、子どもはアミダさまの前では嘘をつけません。子どもは親の言葉をとおして過去からの大きな願いを感じとり、たとえ叱られてもアミダさまの慈悲に許され、励まされ、育てられていくことを知るのです。

これは立派な御仏事(おんぶつじ)なのです。

明順寺住職:齋藤明聖