お内仏

お仏壇が外側の箱の部分をさす言葉であるのに対して、お内仏は安置されたご本尊に重きをおいた言葉です。
ご本尊を中心とした家庭生活をおくるという意味で、真宗門徒は「お内仏」と呼び習わしてきました。

写真をご覧下さい。
正面にご本尊である阿弥陀如来。その前に鶴亀の燭台と香炉と華立てが置かれています。これでお内仏は完成です。飾り棚の上、箪笥の上、机の上、どこにでも置けるように三つ折のご本尊になっています。

「お内仏がなくてどうして子育てができるんだ」これが真宗王国といわれる北陸の人たちの考え方です。
子どもが親から独立して生活を始めると、お内仏を与え阿弥陀さまをお給仕する生活を伝えその中で子育てをさせたのです。

「おかげさま」「もったいない」「いただきます」「仏さまが見ていますよ」
これらはみんなお内仏を中心とした生活の中から生み出された信心の知恵であります。

お内仏

・お内仏は浄土の荘厳世界をあらわしたものです。正しくおかざりしましょう。

・お内仏は方角にとらわれずに、その部屋のもっともふさわしい場所に置きます。

・亡くなられた方の法名は「過去帳」に記録します。丁寧にする場合には「法名軸」を作り、お内仏の側面に掛けます。 (位牌は使いません。)

・お花は、造花やとげのあるものは用いません。

・平常はお仏飯のみお供えします。お供えしたものは、仏さまの「お下がり」としていただきます。

・お線香は、火のついた方を左にして灰の上にねかせます。(お線香を立てることはしません)

・特別な仏事のときは、「打敷」をかけ、お餅、お菓子、果物などをお供えして、焼香します。

・お焼香のときは、刻み香の入った「香合」を用意し、香炉の灰の上に香炭を入れて行います。

・お焼香の仕方は、お香を額にいただかずに2回火にくべます。そのあと香合のお香の乱れを直します。

・おまいりは、姿勢を正してご本尊を仰ぎ見て、「お数珠」の中に合掌した両手を通して、「なむあみだぶつ」を称えて礼拝します。

・お数珠には、正式な二輪のものと略念珠といわれる一輪のものがあります。

・二輪のものは宗派によって仕立て方に違いがありますので買い求めるときには注意が必要です。

・なお女性の場合ですが、お葬儀には赤や紫のお数珠は遠慮したほうが良いといわれます。透明の水晶玉に白い房のお数珠を持っておられると、いざというとき役に立つと思います。

・使い方は写真のとおりです。使わないときには左手に持つか左の腕にかけておきます。