第28回:「悲しみや苦しみを包みこむ」

4月にぎっくり腰になって妻につれていかれた「小池統合医療クリニック」が、NHK「こころの時代」に出演された帯津良一先生(帯津三敬病院名誉院長)と同じ「統合医療」をすすめるクリニックであることを知ったのは、ご門徒のIさん(帯津三敬病院の患者さん)に教えていただいてからでありました。

Iさんからいただいた帯津三敬病院での、カール・サイモントン博士の講演録を読ませていただきました。とくに仏教にかかわる興味深いところを要旨のみ紹介させていただきます。

私がこの3年ほど追求している分野で、仏教ではすでに古くから教えられていることなのですが、私たちの痛みや苦しみをあたかもわが子を抱くように包み込み なさいということがあります。

なぜ痛みや苦しみを包み込むのでしょうか。それは私たちがそこから洞察を得られる、気づきを得られるからなのです。そして気 づきを得ることによって、私たちは痛みや苦しみから真に解放され自由になることができるのです。

私たちの人生や物事の見方に気づいて、それを健全化して、 そこから解放されなさいということなのです。これは西洋の人にはとても難しい概念です。仏教ではもう何千年も前からこのことを教えていたのです。

明順寺住職:齋藤明聖