第107回:「心の龍」

みなさんは、龍を見たことがありますか?
私はあります。
龍は一人ひとりの心の中にいます。
私たちは“人格”という名の龍を持っています。
龍は私たちみんなの心の中にいて、“経験”を食べて成長します。
だから、年を重ね、経験を積むほどその龍は強くなるのです。
そして、感情をコントロールして生きていくことが大切です。
みなさんも自分の龍を大きく素晴らしく、大切に育ててください。

これは、ブータン第5代国王が、福島県相馬市立桜丘小学校の子どもたちに語りかけた「龍の話」です。

先日の明順寺「報恩講」で講演をしてくださいました田中敏恵さんの著書『ブータン王室はなぜこんなに愛されるのか―心の中に龍を育てる王室のすべて―』(小学館1400円税別)にも載せられています。

「経験」を食べて育つ龍。いかに「経験」を積むことが大事なことかが伝わります。それには、どのような「経験」を積むことが必要なのでしょうか…。

心の中の「龍」。これを昔の人は「いのち」「魂」「こころ」「仏心」「仏性」…と、言い表してきたのだと思います。

明順寺住職:齋藤明聖

ブータン王室はなぜこんなに愛されるのか