同朋大学名誉教授の池田勇諦先生から、暁烏 敏(あけがらす はや)師のエピソードを聞かせていただきました。暁烏 敏師は、明治10年生まれ、昭和29年8月27日に78歳で亡くなられています。
ある日、遠方からどうしても暁烏先生に聞きたいことがあるといって尋ねてきた人がいました。先生は、まず本堂に案内して、いっしょに阿弥陀如来に参拝しました。
尋ねてきた人が思い余ったように「私はどうしてもあのお方がわからないのです」と、阿弥陀さまを指すと、暁烏先生は「あの阿弥陀如来か、あれは教えを聞こうと思って遠路はるばる訪ねてこられた、あんたじゃ」と、言われたといいます。
すごい言葉ですね。仏教は神のない宗教であるといいますが、これだったのですね。信心のダイナミックさに感じいります。
明順寺住職:齋藤明聖