第49回:「捨てる」

明順寺でも講演をしてくださったサイモントンジャパン副理事長の川畑伸子先生が『断捨離のすすめ―モノを捨てればうまくいく』(同文館出版・税込1,365円)を出版しました。そこには捨てるということの心理的効果が著されています。

『断捨離のすすめ―モノを捨てればうまくいく』(同文館出版・税込1,365円)捨 聖(すてひじり)と称された一遍上人(1239~1289)は、家を捨て、家族を捨て、捨てられるものは何でも捨て、最後は捨てることまでも捨てた、とい われます。最終的には、捨てるというこだわりをも捨てたということでしょう。でも、捨てるということも確かに大事なことですね。曇鸞大師(どんらんだい し)は、仙経(長生きの経文)を焼き捨てて、浄土門に帰入しました。蓮如上人も、無用な諸経を焼き、その炎で阿弥陀さまにお備えする仏飯(ぶっぱん)を炊 いたといいます。

水がいっぱい入っている器には、新しい水は入りません。
こうでなければならない、というこだわりや先入観を捨てる。そうすると新たな道が開けてくる。
私たちにも大事な示唆を与えているように思います。

明順寺住職:齋藤明聖