2008年1月17日、6434人が犠牲になった阪神大震災の発生から13年目を迎えました。
当日は過去最多の1400を超える犠牲者の追悼関連行事が執 り行われましたが、現地の人びとは「思い出したくない」というトラウマを抱える一方で「震災の記憶を風化させてはならない」との気持ちも強く、その狭間で 悩んでいるといわれます。
調べてみましたら、被災地域には追悼碑・供養碑・詩碑・お地蔵様などのモニュメント(記念碑)が、120以上建てられていて、そこを訪れて手をあわせる人、供養の花を供える人が絶えることなく、そこでお互いにつらい思い出を語り合っているそうです。
私は、このモニュメントが、過去を忘れず、未来への希望をもっていく、その区切りの役割を果たしているのではないかと想像するのです。モニュメントは遺 族・被災者と悲しみを分かちあい、命あることのありがたさ、尊さを心に刻む場であり、大自然からの、犠牲になった方からのメッセージを伝えてくれる場なの ではないでしょうか。
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明順寺住職:齋藤明聖