この言葉は、東京教区から配布された法語ポスターのひとつです。
明順寺の玄関に掲示してあるのですが「この言葉に励まされています」という声を聞きます と、はがすこともできず何年もそのままになっています。
そこで今度は明順寺の封筒にこの言葉を載せてみましたところ、日ごろお寺に来ることができないお年 寄りから「慈悲深い励ましの言葉をいただいてありがとうございます」というお手紙をいただきました。
自殺する人が急に増えたのが、1998年だそうです。この1年で8000人増えて、それ以降減っていません。その一年で人間が急に変わるはずはありません から変わったのは社会のほうです。社会的要因によって自殺へと追い込まれる人が増えてきたのです。ほんとうに生きにくい世の中になってしまったのです。
そういう意味でいまは時代社会そのものが「生きる力」を失っているように思います。ひるがえっていえば仏教が「生きる力」を示しえてこなかったということです。
2011年に宗祖親鸞聖人750回御遠忌が京都東本願寺を中心に盛大に執り行われます。その御遠忌のテーマが「今、いのちがあなたを生きている」であります。私はこの言葉が「生きる力」となって広く伝わっていってくれることを願ってやみません。
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明順寺住職:齋藤明聖