組長の自坊である蓮光寺において開催されました。講師は碑文谷創さん。『SOGI』編集長です。
時代とともに変遷する葬儀の形態について学ばせていただきました。バブル経済のころには葬儀が社会的儀礼にまでなりましたが、近年は高齢化社会が進むにつれ「家族葬」 が一般化してきました。
「家族葬」といってもその概念は非常に曖昧で、10人くらいの家族だけの葬儀から、20名~30名くらいの親族が集まっての葬儀、 多少の知人などが加わる30名~40名くらいの葬儀までいろいろです。家族・近親者でまごころこめて送ってあげたいとの思いには、形式化したセレモニー ホールでの葬儀に対する反発もあると考えられます。
ただ「家族葬」を行う場合に考えなくてはならないことは、亡くなった方の社会的存在を無視できるか、と いうことであります。現役で亡くなられた方、社会的に影響力があった方などは、どうしても会葬者の多い大きな葬儀になることは必要なことであろうと思いま す。その場合には、家族葬(密葬)をして「本葬」をする、家族葬をして「お別れ会」をする、一度で大きな葬儀をとりおこなうなどの方法が考えられます。
いずれにしても葬儀において、遺族がきちんと亡くなった方と向き合うことができるような、仏事としての葬儀が成り立つようにお勤めされることが望まれます。
明順寺住職:齋藤明聖