東京同宗連「部落解放基礎講座」

東京同宗連「部落解放基礎講座」

10:30から16:00まで墨田区社会福祉会館を中心に開催されました。

大宮溝・東京同宗連議長、続いて部落解放同盟墨田支部の北川京子さん、浄土宗の 長谷川岱潤さんの挨拶ではじまり、東京都同和教育研究協議会・都立竹台高校教諭の桐畑善次さんの「私にとって部落とは何か」という講義を聞きました。

ある 差別反対集会で、みんなが「差別をなくそう」「差別を許すな」という印刷されたゼッケンをつけているなかで、ひとりのお母さんは「私は差別者です。でも私 はその差別の心と闘います」という手書きのゼッケンをつけていたという話が印象的でした。

人間はいつでも差別する側にまわる危険性があるのです。つねにそ のことを自覚し、絶えず自分のなかにある差別性と闘わなくてはならないのでしょう。

午後はフィールドワークとして木下川地域の皮革産業や油脂関連産業(廃油リサイクル・正脂・コラーゲンなど)を見学しました。木下川は明治以降の東京府の 強制移転政策で被差別部落の出身者が集められたところです。

全国の豚革なめしの80%がここで生産され、質の高さは世界から認められ「グッチ」にも使用さ れているそうです。しかし、アジア諸国の低価格の皮革製品の輸入自由化、差別による後継者不足などから最盛期には160社あったなめし会社が現在は10 社、関連会社をふくめて25社くらいになっているそうです。差別事件もいまだあとを絶たず最近ではインターネットを使っての差別書き込み事件が起きていま す。
地域の人たちも「すみだ皮革まつり」の開催や人権と福祉の町づくりをめざしてNPO法人「お互い様クラブ」の立ち上げなど、差別をはねかえす情報発信の町 としてさまざまな活動を展開しています。参加者は11宗教教団から92名でした。

明順寺住職:齋藤明聖

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