強制連行された東アジア地域出身者の遺骨の関する調査実施にむけての事前学習会

2004年12月の日韓首脳会議での合意にもとづき、2005年7月に日本政府から財団法人全日本仏教会に「朝鮮半島出身の旧民間徴用者等の遺骨について の情報提供のお願い」について依頼がありました。

ちょうどこのとき私(住職)は全日本仏教会の事務総長をしていたのですが、政府の調査に対する見通しの甘 さに幾度もの会議をかさねる一方、加盟宗派の「連絡協議会」を開催し意見交換を続けてきました。その結果、曹洞宗・浄土真宗本願寺派・真宗大谷派は、いち 早くこの問題を主体的にうけとめて全国調査をすることになりました。

学習会では「何故返還されなかったのか―遺骨をめぐる日韓外交史―」(NHK総合テレビ)を観賞し、本山解放運動推進本部本部員の雨森慶為氏の講義をお聞きしました。

戦争中、日本の労働力不足を理由に東アジア地域から多くの人々が連れてこられ、炭鉱や鉱山、軍事施設の建設などで過酷な労働を強いられました。その数推定 で70万人ともいわれていますが実態の把握はできていません。

戦後、遺骨送還運動に取り組まれた仏教者もいましたが、多くは名前もわからないまま野辺に埋 葬されたり、遺骨があっても返還できずに寺院などにあずけられたままの状態が今日まで続いています。これらを把握し、身元が判明した遺骨については遺族を 見つけ出し政府の責任において返還していこうとするものです。こうした行動をとおしてアジアの人々との開かれた関係を築いていくことができればと考えま す。

明順寺住職:齋藤明聖