明順寺「灯のつどい法要」「報恩講」

灯のつどい法要

報恩講の前夜、帰敬式に続いて「灯のつどい法要」が行われました。

真っ暗闇のなか、ろうそくの明かりだけをたよりに『正信偈』真四句目下・五つゆり念仏和讃・回向、引き続き『御伝鈔』が拝読されました。リズミカルで力強 い声明(しょうみょう)に参詣者から感動の声が聞こえました。

翌日は「報恩講」。のびやかで力強い伽陀(かだ)の発声からはじまり、登高座して三帰依文・ 表白、下高座して『正信偈』草四句目下・五つゆり念仏和讃・回向。続いて『御俗姓御文』が拝読されました。

講演は富田富士也先生(子ども家庭教育フォーラム代表)の「子の母をおもうがごとくⅡ」。家庭の中の、せめぎあい、おりあい、おたがいさまを楽しく切実に お話しくださいました。

同行の紀尚代さん(カウンセラー)からは「祖母が認知症になって母のことがわからなくなったことを、母がひどく悲しんでいるのを見 て親子のつながりを感じました。私にとってそれまでかかわりのなかった祖母なのですが、祖母の手を見たら私の手より大きかった。私は自分の大きな手が嫌い だったけれども、祖母の手を見てはじめて自分の手をうけいれることができました。祖母、母、私とつながっていることを感じました」という体験を聞かせてい ただきました。

聴講している私たちもいつしか参加者になっていて、全員参加の講演会になりました。最後に先生とともに「恩徳讃」を斉唱して、お会いできた ご縁をともに悦ばせていただきました。

余興はストレート松浦さんと六代目左楽師匠。ひととき演芸と落語の世界に浸ることができました。明順寺に五代目左楽師匠のお墓があることから出演を奉仕してくださっています。

こうして明順寺がもっとも大切にする報恩講が無事つとめあげられました。今年は出席者が少なめで、二日間で延べ80人。年々増えていってくれることを期待 しています。ご出席の皆さま、「おとき」のお手伝いしてくださった方々、ご協賛いただきましたご門徒さまにはありがとうございました。報恩講の様子は、ご 門徒の高野さんが撮影してくださった写真のページをご覧ください。

明順寺住職:齋藤明聖

灯のつどい法要