東日本大震災では2万人もの方が亡くなられました。NHKでは「花を咲かそう、明日へ」というテーマで、震災のことを放映していました。
震災で被災された方々を励ますためのエールだったのでしょう。でも花を咲かすことなく、いのちを終えていった多くの人たち。明日があるはずなのに、明日を迎えることなく、いのちを終えていった人が2万人もいるのだと。
その方たちの、いのちを私たちはどういただいていくか。引き受けていくかということに対するもう少し深いいただきがあってもいいのではないかと思います。
「明日へ」というけれど、本当に明日はあるのだろうか。2万人の方たちは、明日がないいのちを終えていったのです。そのような、いのちとは何か。そういう、いのちへの眼差しを、私たちはもっと大切にしなければいけないのではないでしょうか。生死無常(しょうじむじょう)のことわりを、再確認していかなければならないのです。
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真宗教団連合40周年記念大会・記念法話『あなたは仏様になりたいですか』小川一乗先生からの抜粋