茂登山長一郎氏ご逝去

明順寺ご門徒である茂登山長一郎氏が、去る平成29年12月15日、96歳の長寿をまっとうされご逝去されました。

葬儀は近親の者により執り行われ、平成30年2月3日帝国ホテルにて「お別れの会」が催されました。参列者約1000人。茂登山さんとの別れを惜しむ人たちで、予定時刻をはるかに超えて、いつまでも談笑が続きました。

氏は、日本のファッション界のパイオニアで、世界の一流品と称されるグッチ・エルメス・ロエベ・エトロなどを見出し、日本に紹介した人であります。

1955年、「サンモトヤマ」を設立。1964年には、銀座並木通りに本店を移転。晩年には、東洋の美にも注目し、地域の文化興隆にも尽力されました。

1990年には、破損の激しかったイタリアのフィレンツェにあるサン・ジョバンニ洗礼堂の「天国への扉」のリメイクを制作寄付。こうした数々のイタリアとの文化交流に貢献したことで、2010年にフィレンツェ文化財団より最高の栄誉である「フィレンツェ市の鍵」を授与されています。

茂登山さんは仏教にまつわる話にも深く興味をもたれ、話題はいつも多岐に及びました。茂登山さんの卓越した美のセンス、それがあたかも「真理」に結びついていることを感じさせていただいたことです。浄土にお帰りになられましたが、これからもサン(太陽)となって私たちを照らし、励ましてくださることでありましょう。